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2016-09-25

The location of the X Window System user configuration file

X Window Systemの設定ファイルであるxorg.confのユーザー設定の格納場所を調べた。結論をいうと,ユーザー設定とシステム設定ファイルの場所は以下となる。

ユーザー設定
/etc/X11/xorg.conf.d
システム設定
/usr/share/X11/xorg.conf.d

Introduction

LinuxやUNIXでは,X Window Systemと呼ばれるシステムを使い,画面を描画したり,マウス,キーボード,タッチパッド,ライトといったデバイスの挙動を制御する。つまり,これらの挙動を変更したければ,X Window Systemの設定ファイルを変更することになる。

現在はX.Org FounationがX Window Systemの標準仕様を策定し,その実装であるXorgも提供している。Xorgの設定はxorg.confファイルやxorg.conf.dディレクトリで設定する。これらのxorg.confファイルを設定することで,例えば以下のような設定が可能となる。

  • タッチパッドの感度,2本指クリックや3本指クリックの動作,認識範囲
  • マウス速度
  • ポインティング・スティック(トラックポイントなど)の感度
  • キー割り当て
  • 画面明るさ

デバイスの設定をOSネイティブで行うにはXorgを使うしかなく,快適なPCの利用にあたってこの設定が非常に重要となる場合がある。しかし,これらの設定ファイルの場所がどこにあるのかはっきりとした情報があまりないと感じた。そこで,システムの標準設定の場所と,ユーザー用設定ファイルの場所を調べた。

Xorgの設定ファイルの配置場所

Xorgの設定ファイルはxorg.confと呼ばれている。xorg.confのマニュアルは公式サイトか,Linuxであれば以下のコマンドで確認できる。

man xorg.conf

このマニュアルを参考にして,Xorgの設定ファイルの場所をまとめる。

Xorgの設定は以下の2種類のファイルを使う。

  • xorg.confファイル
  • xorg.conf.d配下の.confファイル

マニュアルを見る限り,xorg.conf.d配下のファイル名は拡張子が.confであること以外に指定はない。ただし,標準のシステム設定では,以下のように数字-デバイス名.confのような命名規則となっているので,これに従うのがよいだろう。

ls /usr/share/X11/xorg.conf.d/
10-amdgpu.conf  11-evdev-quirks.conf      50-vmmouse.conf
10-evdev.conf   11-evdev-trackpoint.conf  50-wacom.conf
10-quirks.conf  50-synaptics.conf         51-synaptics-quirks.conf

Xorgの設定ファイルは大きく以下の分類で検索される。

  • 初期設定ファイル
    • 一般ユーザー
    • ルートユーザー
  • 追加設定ディレクトリ
    • 一般ユーザー
    • ルートユーザー
  • システム設定

一般ユーザーとルートユーザーの違いは,ルートユーザーでXorgを起動した場合,起動オプション-config-configdir,環境変数$XORGCONFIGで指定されるファイルやディレクトリを追加で探すことだ。

システム設定は,システム利用に予約されたディレクトリのことだ。このディレクトリの設定は,ベンダーやサードパーティのパッケージから分離されている。システム設定をユーザーが変更する必要はない。

Xorgの設定ファイルの場所一覧を以下の表に示す。

Xorgの設定ファイルの場所一覧
分類 一般ユーザー ルートユーザー

初期設定ファイルの<cmdline>起動時の-configオプションで指定。

追加設定ディレクトリの<cmdline>起動時の-configdirオプションで指定。

<hostname> gethostname関数で得られるホスト名。

$XORGCONFIG 環境変数。既定は空。
初期設定ファイル

/etc/X11/<cmdline> /usr/etc/X11/<cmdline>
/etc/X11/$XORGCONFIG /usr/etc/X11/$XORGCONFIG /etc/X11/xorg.conf /etc/xorg.conf /usr/etc/X11/xorg.conf.<hostname> /usr/etc/X11/xorg.conf /usr/lib/X11/xorg.conf.<hostname> /usr/lib/X11/xorg.conf
<cmdline>
/etc/X11/<cmdline>
/usr/etc/X11/<cmdline>
$XORGCONFIG
/etc/X11/$XORGCONFIG
/usr/etc/X11/$XORGCONFIG
/etc/X11/xorg.conf
/etc/xorg.conf
/usr/etc/X11/xorg.conf.<hostname>
/usr/etc/X11/xorg.conf
/usr/lib/X11/xorg.conf.<hostname>
/usr/lib/X11/xorg.conf
追加設定ディレクトリ

/etc/X11/<cmdline> /usr/etc/X11/<cmdline> /etc/X11/xorg.conf.d /usr/etc/X11/xorg.conf.d
<cmdline>
/etc/X11/<cmdline>
/usr/etc/X11/<cmdline>
/etc/X11/xorg.conf.d
/usr/etc/X11/xorg.conf.d
システム設定
/usr/share/X11/xorg.conf.d

Xorgのユーザー設定ファイルはどこに配置すべきか?

ここまでで,Xorgの設定ファイルの格納場所が全てわかった。それでは,ユーザーが変更した設定ファイルはどこに配置するのがベストだろうか?

答えは,/etc/X11/xorg.conf.d/だ。

まず,初期設定ファイルはシステムで用意されている可能性があるので,使わないほうがいいだろう。そして,Xorgの起動時のオプションは期待できないので,<cmdline>オプションを使っている場所も避けるべきだろう。これらを考慮すると,配置場所候補が以下の2個に絞られる。

/etc/X11/xorg.conf.d
/usr/etc/X11/xorg.conf.d

この2択から/etc/X11/xorg.conf.dを選ぶべき理由は以下の3点だ。

  1. /usr/share/X11/xorg.conf.d/50-synaptics.conf で指示されている。
  2. FHSでは/usr/etc/X11は定義されていないが,/etc/X11は定義されている。
  3. 標準のUbuntu 16.04でxorg.confは使われておらず,xorg.conf.dを使ったほうが柔軟な設定が可能。

1点目。Ubuntu 16.04で以下のコマンドを実行すると,設定ファイルが/etc/X11/xorg.conf.dを使うように指示していることがわかる。

head /usr/share/X11/xorg.conf.d/50-synaptics.conf
# Example xorg.conf.d snippet that assigns the touchpad driver
# to all touchpads. See xorg.conf.d(5) for more information on
# InputClass.
# DO NOT EDIT THIS FILE, your distribution will likely overwrite
# it when updating. Copy (and rename) this file into
# /etc/X11/xorg.conf.d first.
# Additional options may be added in the form of
#   Option "OptionName" "value"
#
Section "InputClass"

2点目。FHS (Filesystem Hierarchy Standard)というLinuxにおけるディレクトリ構造の標準仕様が存在する。FHSにおいて,/etc/X11/ディレクトリは以下のとおりオプションだが定義されている。

3.7.5. /etc/X11 : Configuration for the X Window System (optional)

3.7.5.1. Purpose

/etc/X11 is the location for all X11 host-specific configuration. This directory is necessary to allow local control if /usr is mounted read only.
Filesystem Hierarchy Standard

しかし,/usr/etc/X11/は定義されていない。特に理由がなければ,FHSに従うべきだろう。

3点目。xorg.confは単体で利用可能なファイルとなっている。しかし,このファイルは標準のUbuntu 16.04では存在しない。また,Xorgの設定はデバイスごとに分類され,設定できる項目は多い。xorg.conf.d配下の.confファイルでデバイスごとや用途ごとにファイルを分けた方が管理しやすい。

まとめ

これらのことから,Xorgのユーザー設定とシステム設定ファイルの場所は以下となる。

ユーザー設定
/etc/X11/xorg.conf.d
システム設定
/usr/share/X11/xorg.conf.d

Xorgの設定はネット上であまりなく,ユーザー設定の配置場所についても特に理由や根拠もなく/etc/X11/xorg.conf.dを使うように書かれていることが多い。今回の記事でユーザー設定ファイルの場所を明確な根拠もって示すことができたので自信をもってXorgの設定に望めるだろう。Xorg自体の設定は膨大にあるので,また調べてみたい。

2016-09-24

How to execute external command in Vim on Windows network directory

Windowsのネットワークディレクトリ上で,Vimから外部コマンドを実行する方法を記す。

Introduction

仕事ではWindowsのPCを使っている。複数人で作業をしている場合,ネットワークディレクトリ上のソースコードなどのファイルを直接編集することがある。

ネットワークディレクトリ上のファイルをGVimで開いた状態で,:lgrepなどのVimの外部grepのように,VimからWindowsの外部コマンドを実行したいことがよくある。しかし,そのまま実行すると勝手にC:\Windowsでコマンドが実行されてしまう。

例えば,ネットワークディレクトリの\\VBOXSVR\Windows10の任意のファイルをVimで開いて,:!dirコマンドを実行すると以下のメッセージが表示されてしまい,\\VBOXSVR\Windows10とは異なるC:\Windowsの中身が一覧されてしまう。

cmd /c dir
'\\VBOXSVR\Windows10'
上記の現在のディレクトリで CMD.EXE を開始しました。 UNC パスはサポートされません。Windows ディレクトリを既定で使用します。

Vimでgrepする場合であれば,Vimの内部grep(:vimgrep)コマンドを使えば実現はできる。しかし,:vimgrepだと動作が遅く,他のWindowsコマンドが実行できないという根本的な問題が解決していない。

そこで,Windowsのネットワークディレクトリ上でコマンドを実行する方法を調べた。

Method

以下のページの情報に従えば解決した。

参考:コマンドプロンプトで「CMD では UNC パスは現在のディレクトリとしてサポートされません

レジストリーを設定して,ネットワークディレクトリ上でコマンドを実行するときのチェックを無効化すればよい。

具体的には,レジストリーエディター(regeditコマンド)を実行して,\HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Command ProcessorDisableUNCCheckというDWORD値を作成し値に1をセットする。

なお,このレジストリーの登録は以下のコマンドでも行える。

reg add "HKCU\Software\Microsoft\Command Processor" /v DisableUNCCheck /t REG_DWORD /d 1

登録できたかどうかは,以下のコマンドで確認できる。

reg query "HKCU\Software\Microsoft\Command Processor" /s
    CompletionChar    REG_DWORD    0x9
    DefaultColor    REG_DWORD    0x0
    EnableExtensions    REG_DWORD    0x1
    PathCompletionChar    REG_DWORD    0x9
    DisableUNCCheck    REG_DWORD    0x1

削除するときは以下のコマンドで行える。

reg delete "HKCU\Software\Microsoft\Command Processor" /v DisableUNCCheck /f

これで、ネットワークパス上のコマンドで、UNCパスが利用できるようになる。PCの再ログインや再起動は不要で,値を設定・削除すれば即座に反映される。なお,HKEY_LOCAL_MACHINEで設定すれば、PC全体の設定となる。

この設定により,ネットワークディレクトリ上のファイルをVimで編集するときの外部コマンドのパスが正しく認識されるようになった。

2016-09-19

GMOとくとくBBでWiMAXを契約してはならない理由

GMOとくとくBBで昨年の8月にWiMAXを契約した。1年経過して失敗したのでそのことについて記す。

WiMAXを契約する動機

入学や就職,異動などで,引っ越しにより住居が変わることがある。そのたびに,インターネットの回線をどうするかというのが悩みの種だった。インターネットの回線では有線か無線か大きく2通りがある。それぞれ以下のような利点と欠点があると思う。

回線ごとの利点と欠点
回線 利点 欠点
有線
  • 通信速度が高速
  • 回線が安定
  • 線があり部屋のレイアウトが制限
  • 工事が必要
  • 異動などで予期しない転居の場合に費用がかさむ
  • 外出先で利用不可能
無線
  • 線がない
  • 外出先で利用可能
  • 工事不要
  • 急な異動でも再契約不要
  • 回線が不安定
  • 通信速度が有線より低速

インターネット通信の性能(速度・安定性)としては,有線が最も優れている。これは揺るぎない事実だ。そのため,2年前に始めて東京で一人暮らしを 始めた時は有線で契約した。通信速度には満足していた。しかし,1年も立たない内に会社の命令で異動となり,東京から大阪に転勤になった。最初の1-2年 は毎月の通信費には回線の工事費が含まれており,解約手数料が高くなり,はっきりいって損となった。

大阪で1年過ごして転職により東京に住むことになった。大阪にいる間から,転職を考えて再契約が不要な無線通信を契約しようと考えた。そこで,いろいろ調べて8月に「GMOとくとくBB」でWiMAXを契約した。

GMOとくとくBBがダメな理由

GMOとくとくBBを選んだ理由は,業界最大の特典が得られるからだ。GMOとくとくBBで契約すれば,約3万円のキャッシュバックを受けられる。これは他社と比べて金額がひとつ抜けている(約1万円)。これに目がくらんでGMOとくとくBBで契約した。しかし,これは失敗だった。

なぜなら,GMOとくとくBBで契約した場合の,キャッシュバックを受ける条件が思っていた以上に難しかったからだ。その条件は以下となっている。

  1. 新規契約であること。
  2. 契約を変更しないこと。
  3. 契約11か月目契約時にもらったメールアドレスに届く案内にしたがって,1か月以内に申し込む。

参考:WiMAX(ワイマックス)なら GMOとくとくBB | クチコミで人気 ! お得で安いプロバイダー

この3個目の条件が特に難しい。まず,今時プロバイダーが提供するメールアドレスなんて使いにくすぎて,使っていられない。180日経過すれば,受信メールは自動で削除される。しかも,2-3日に一回はスパムメールがもれなく届く。

ぶっちゃけ,契約して11か月後なんてどうなっているかわからないし,覚えていられない。カレンダーに登録しただけだと見逃す(実際見逃した)。キャッシュバックの案内自体も件名が「GMOとくとくBBからのお知らせ キャッシュバック特...」というようなもの。

このようにキャッシュバックの特典を受けるのがとても難しい。ネット上でも特典を受けられない声はすぐに見つかる。

この状況から,なぜGMOとくとくBBが業界最大のキャッシュバックを提供し続けられるかがわかる。それは,キャッシュバックを受けられない人が多いからだ。どんなに費用のかかる特典をつけようが,それを受ける人がいなければ,会社としては負担にならない。だから,このような特典を受ける条件を難しくすることで,実質的に特典を受けられる人を減らして,お得感だけを打ち出すことができている。

当然ながら,このキャッシュバックを受けられなければ,業界で最高値になってしまう可能性がある。万が一でも,キャッシュバックを受けられない可能性があるくらいなら,素直にキャッシュバックの金額が低くなっても他社を選んだほうがましだろう。

契約を読むので契約する側にも問題があるのはわかる。しかし,一定期間継続したユーザーにだけ特典を与えたければ,最初から受付をしておいて,その期日まで継続していれば振り込むなど,もっとユーザーにとってよい方法があるずだ。それにも関わらず,わざとこのようなややこしい手順をとらせることで客を騙す真似をするのは悪質だ。

他にもこのGMOとくとくBBの契約には問題がある。まず,解約するには契約して25か月めか49か月目でなければ,問答無用で解約料9500円が発生する。さらに,利用期間に応じて追加で解約料がとられる(2年未満:9500円,2年以上:4500円)。つまり,更新月以外で解約する場合,1.4-1.9万円の解約料が発生する(もっとも,このような解約手数料は他社でも同様のようだが)。

参考:GMOとくとくBB 「WiMAX 2+ 接続」 サービス特約 | プロバイダーなら GMOとくとくBB

まとめとそれでも利用する人への助言

このように情報弱者から金を絞りとるようなWeb企業は気に入らない。GMOは国内最大のインターネット企業だ。GMOとくとくBBはそのGMOのグループ会社だ。個人がこのような大企業に対抗できることなど限られる。それは以下だ。

  • ブログで問題を指摘
  • サービスを利用しない

今回自分が被害を受けて,怒りを感じた。だからこの2点を実行することにした。次の更新月(2017-09)で解約しようと思う。自分の中でGMOに対する印象が悪くなった。これからは注意する。

以上からWiMAXの契約にGMOとくとくBBを選ぶべきでない理由をまとめる。

  • キャッシュバック特典の受け取りが困難
  • 悪徳企業の粛清

なお,このような問題があっても,そのお得感からGMOとくとくBBを利用するのなら以下2点の助言をきいてもらいたい。

  1. キャッシュバック受け取り月をカレンダーに登録して,必ずリマインダーを設定する。
  2. 安心サポート(300円/月)とWi-Fi(公衆無線LAN)接続オプション(362円/月)は申し込まない。

GMOとくとくBBでWiMAXを契約するなら,必ずキャッシュバックを受け取れるようにする。万が一にでもキャッシュバックを受け取れないのならば,初めから他社を選んだほうがマシだ。 そのためには,カレンダーのリマインダー機能を使う。例えば,Googleカレンダーであれば,リマインダー機能を使うと,その日を過ぎても自分でチェッ クするまで予定が後まで伸びてくる。流石に1ヶ月間カレンダーを見ないということはないので気づくはずだ。また,期日が来たら自分宛にメールが来るように 設定していてもよいだろう。僕もこの機能を使っていればよかった。

また,契約を申し込むと,最初の2-3ヶ月間は安心サポートとWi-Fi(公衆無線LAN)接続オプションが無料でついてくる。しかし,これらも解約を忘れると自分で解除するまで勝手に課金されてしまう(実際解除を忘れて5ヶ月ほど課金されていた)。どうせいらないオプションなので最初から申し込まないほうがいい。オプションの解約や毎月の請求金額はBBNaviのページで確認できる。

おそらく今後もこのようなサービスに出くわすだろう。これに懲りて,ユーザーにとって不利なサービスを提供する会社は避けることにしよう。それが世のため人のためだろう。

2016-09-18

Solution for Amarok "ItunesStats file ('iPod_control/iTunes/iTUnesStats'): entry length smaller than expected (0"

2008年頃に発売されたiPod shuffle(第2世代)を高校生のときに購入して今も保有している。ほぼ英語のリスニング学習専用機としていて,ここ数年使っていなかった。久しぶりに英語を勉強しようと思って取り出した。昔と違ってメインPCがWindowsからUbuntuに変わったので,UbuntuでiPodの楽曲を管理しようと思い,Amarokというソフトを試してみた。

iPodを接続してAmarokを起動すると,こんなメッセージが表示されてしまった。

ItunesStats file ('/media/senooken/IENEKO/iPod_control/iTunes/iTunesStats'): entry length smaller than expected (0

Above problem prevents Amarok from using your iPod. You can try to re-create critical iPod folders and files (including iTunes database) using the initialize iPod button below.

Initializing iPod destroys iPod track and photo database, however it should not delete any tracks. The tracks will become orphaned.
iPod接続時のAmarokのエラー

[Ititialize iPod]ボタンを押下しても解決しない。以下のサイトでこのエラーについてやりとりされていたが,解決はしていなかった。

参考:[ubuntu] 2G ipod shuffle in gtkpod

原因がよくわからないのだが,メッセージに表示されているiTuesStatsファイルが邪魔なのかもしれない。このファイルをテキストエディタで開くとバイナリファイルとなっていた。試しに,このファイルを削除するとうまく動作するようになった。iTunesとの同期に失敗したごみファイルだったのかもしれない。

ひとまずこれで解決してよかった。

2016-09-17

Adobe AcrobatのClearScan実行時の「Pager Capture 認識サービスのエラーにより、ページを処理できません。(6)」の解決方法

有料版のAdobe Acrobat(StandardやPro)にはOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)機能がある。その中でClearScanというOCRがある。ClearScanではPDFの画像の文字を解析して,その文字とよく似たフォントで画像を置換してくれる。ClearScanでフォントを埋め込むことで,以下2点の利点がある。

  • PDFのファイルサイズを1/3程度に縮小できる。
  • 拡大しても文字がギザギザにならずとても読みやすい。

ClearScanに相当する機能は他社は提供しておらず,Adobe Acrobat独自の機能となっている。縦書き文字に対する認識はいまいちだが,上記2点の利点があるので,横書きPDFに対してはClearScanでOCRをかけることにしている。

ところが,[ClearScan]やその他のOCR方法である,[検索可能な画像]と[検索可能な画像(非圧縮)]を選択してもエラーが発生してOCRを実行できないページが存在する。エラーが発生するページが1ページでもあれば,そのPDF全体はOCRを適用できなくてとても困る。この解決方法が分かったのでそれを記す。

Adobe AcrobatはScanSnap ix500に付属してきたAdobe Acrobat X Standardで動作を確認した。

エラーの発生したページとエラーメッセージ

エラーは例えば以下のようなページに対してスキャンが実行されると発生する。

エラー発生ページ例(書籍:滝澤, ななみ (2013) : 2013-2014年版 みんなが欲しかった! FPの教科書 2級・AFP

エラーメッセージの内容はそれぞれ以下の通り。

次の理由により、テキスト認識(OCR)を実行できませんでした。
Pager Capture認識サービスのエラーにより、ページを処理できません。(6)

[ClearScan]実行時のエラーメッセージ

次の理由により、テキスト認識(OCR)を実行できませんでした。
原因不明のエラーが発生しました

[検索可能な画像]と[検索可能な画像(非圧縮)]実行時のエラーメッセージ

上記のサンプルページでは,おそらくページ下部の罫線がOCRの妨げになっていると思われる。その他にも,ローマ数字や丸付き数字,しわなどスキャン時にぐちゃぐちゃになった部分が存在すると上記のエラーが発生するようだ。

他にもネットで同様のエラーが報告されている。

参考:AcrobatのOCRエラー(その後) - Mugicha2004の日記

解決方法

このエラーの解決方法を考えたところ,以下の順位で3通りあるだろうと考えた。

  1. エラーページ内の問題になりそうな箇所をトリミングで削除
  2. エラーページだけ分離して,別のソフトでOCR後マージ
  3. Adobe AcrobatのOCRをやめ,他社製品のOCRを利用

以下でそれぞれの内容を説明する。

エラーページ内の問題になりそうな箇所をトリミングで削除

この方法が一番簡単でお勧めだ。エラーの発生したページにおいて,OCRの妨げになるような箇所をトリミングで削除してしまう。例えば,以下の画像のようにスキャンがきれいにできず,左上の赤丸で囲んだごちゃごちゃしてそうなところをトリミングで削除する。

トリミング前
トリミング後
トリミングの実行前後(書籍:墺, タカユキ (2003) : 総合英語Forest

トリミングは以下の手順で行える。

[表示]→[ツール]→[ページ]→[トリミング]

トリミングの実行手順

ページをダブルクリックするとダイアログが表示され,ページ範囲指定して一括でトリミングすることもできる。不要な余白の削除にも便利な機能だ。

なお,トリミングではあくまで表示範囲を再設定しただけで,内部的にはデータを保持している。データ自体も削除するには以下の手順で非表示情報を削除する。なお,この操作を行うとメタデータ類が全て削除されるので注意する。

[表示]→[保護]→[非表示情報を検索して削除]

トリミングしたデータの削除手順

その他,試してはいないが,Adobe Acrobat Proの隅消し機能や,他の画像編集ソフトでOCRの妨げになる部分を隠すことでも対応できるかもしれない。

エラーページだけ分離して,別のソフトでOCR後マージ

この方法は僕が最初に試した方法だ。やや手間だがこの方法も悪くない。この方法は以下の手順でエラーに対処する。

  1. エラーの発生したページを切り取って別のPDFに分離。
  2. 本体のPDFにClearScanを実行。
  3. 分離したPDFはAdobe Acrobat以外の別のOCRソフトでOCRを実行。
  4. 最後に本体と分離したページをマージ。

なお,自分の備忘録に近いメモを残しておく。

書籍をスキャンしたPDFはサイズが数十から数百MBと大きく,表示速度やHDの圧迫が気になるので,「 Smallpdf.com」というサイトでPDFを圧縮している。

このサイトで圧縮するとだいたい1/3までファイルサイズを縮小できる。ClearScan単体でも1/3程度圧縮できるので,ClearScanを行ってからSmallpdfで圧縮すると,だいたい元のPDFの1/10程度にまでファイルサイズを圧縮でき重宝している。なお,Smallpdf→ClearScanの順番で行うと,ファイルサイズは同じくらいだが,ClearScanでのフォント埋め込みが汚くなるのでClearScan→Smallpdfの順番でやったほうがいい。

この手順でPDFをマージしてしまうと,なぜかSmallpdfで圧縮できなくなることがあった。なので,マージはSmallpdfで圧縮してから行ったほうがいい。

Adobe AcrobatのOCRをやめ,他社製品のOCRを利用

これは本当に最期の手段と思う。エラーの発生ページが多すぎて,いちいち個別のページの対処ができない場合だけこの方法を採用するだろう。

OCRソフトについては以下の記事がとても参考になる。

比較2016' 現行の日本語OCRソフト3機種の性能とおすすめ:縦書き文章の論文、英語日本語混在論文における性能や価格:Panasonic:読取革命 ver.15、エプソン・メディアドライブ:e.Typist v.15.0 Adobe Acrobat pro 11.0 ソースネクスト 本格読取4 フリー(無料)版との違い: 家電批評モノマニア

現状日本語OCRの選択肢としては以下の3択と考えてよい。

  • e.Typist
  • 読み取り革命
  • Adobe Acrobat

この中では,ファイルの圧縮率が高いのでe.Typistがよいと思う。もともと最初に読み取り革命を最初に購入したのだが,OCR後にOCR前のPDFの3倍程度にまでファイルサイズが肥大化してしまったので,e.Typistを買い直した。

Adobe Acrobatが苦手な縦書きの文庫本などもe.Typistで処理することになるだろう。

まとめ

Adobe AcrobatによるOCR実行時のエラーについてまとめた。あまりこういうトラブルに対してまとまった情報は見当たらなかったので参考になればよいと思う。